社史入門

漫画・絵本型の社史とは?

歴史や背景を漫画や絵本でわかりやすく紹介するタイプの社史です。
文章と図表を中心としたオーソドックスな「百科事典型社史」とは違い、
写真やイラストを中心に構成されます。
このように「読む」ことよりも「見る」ことを重視したタイプの社史は、
「ビジュアル社史」と呼ばれています。
漫画・絵本型社史には、次のような特徴があります。

漫画・絵本型の社史の特徴

写真やイラスト中心の表現なので、親しみやすい

文章と図表で構成されたオーソドックスな社史と比べ気軽に読むことができます。
「硬い印象ではなく、誰もがとっつきやすいものを作りたい」
「棚に並べられるだけではなく、興味を持って読まれる社史を作りたい」
という方にはおすすめの社史です。

文章では伝えにくい内容も一目で理解してもらいやすい

例えば下記のような内容を読者にわかりやすく伝えることができます。

  • 製品の細部を紹介
  • 創業者の生涯
  • 創業期から現在までのストーリー
  • 開発物語
社内だけでなく社外の人々にもアピールしやすい

重厚な社史と比べてとっつきやすいため、
新入社員教育や社外向け広報にも活用しやすいタイプの社史です。

伝統的な社史としての重厚感は低く公的な資料としての機能は弱い

社史に伝統的な風格や公的資料としての機能を強く求める場合には、
あまり向いていない形態です。

社史制作で気をつけるポイント

必要工程が多いため十分な準備時間と計画が必要

漫画・絵本型の社史特有の工程も必要になるため、
制作には十分な準備と計画が不可欠です。

<漫画・絵本型社史制作時の工程一部>

  • 作家の選定
  • 取材に基づく原案作成
  • 時代考証に基づくシナリオ作成
  • 絵コンテ作成
  • 下描き作成
  • 漫画や絵本の仕上げ、実制作
ビジネスを理解でき、表現出来る作家の起用

漫画・絵本型社史の編纂では、作家の起用が一番の課題になります。
企業の経営理念や事業活動を理解した上で、
歴史の山場を捉えたストーリー展開ができる作家出なくてはなりません。
したがって必ずしも「著名作家」が適しているとは言えません。
「ビジネスを理解できる作家」を探し出す必要があり、
外部専門会社との連携が欠かせません。

ストーリー性の高い構成

漫画や絵本が読みやすいとは言っても、
当然ながらストーリーがわかりにくければ読んでもらえる可能性は低くなります。
読者が感情移入しやすいキャラクター設定や、
わかりやすい解説を必要とするなら見開きの活用なども考慮し、
読みやすくしなければなりません。

時代考証をきちん行う

時代考証などをきちんと行った上でストーリーを構成しなければ、
社史としての信憑性の低いものになりやすくなります。

まとめ

漫画・絵本型社史は、文章と図表が中心のオーソドックスな社史に比べ、社内外問わず幅広い層の人々にとってとっつきやすく、親しみやすい傾向があります。

その一方で、伝統的な風格や公的資料としての機能は弱いため、社史制作の目的が公的資料としての歴史保存であれば、この形態の社史はあまりおすすめいたしません。

制作では、取材や時代考証のためのリサーチ、作家の選定、構成の推敲などしっかりとした準備期間を設け計画的に進めていくことが重要です。

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