社史入門
基本ステップ 社史の索引づくりは「台割」と「コンセプト」の土台づくり
周年事業の一環として社史を制作する場合、最初の重要な工程のひとつが「索引(目次)づくり」です。
ここでいう「索引」とは、いわゆる“台割”(ページ構成表)を指します。つまり、どのページに何を載せるか、その全体設計を考える段階です。
この台割の構成は、社史全体のコンセプトやストーリー展開にも大きな影響を与えます。印刷直前の修正は非常に困難になるため、一度決めたら原則として変更しないつもりで進めることが重要です。
「何を優先するか」を明確にしてから決定を
社史の索引をつくる際には、以下のように複数の要素が絡み合います:
- 全体のページ数
- 収録したい企画の内容や数
- 掲載写真やインタビューの分量
- 予算(ページ数や企画数によって変動)
これらを踏まえて、「何を最優先にするか」を事前に明確にする必要があります。
たとえば、「創業者の想いをしっかり残したい」のか、「全社員が載る集合写真を優先したい」のか、「沿革やデータの網羅性を重視したい」のか。方針によって構成は大きく変わってきます。
可能であれば、各部門の責任者だけでなく、決裁権を持つ経営層にも同席してもらい、方向性をしっかり確認しながら決定しましょう。
掲載情報に「漏れ」がないよう、稟議を通す
社史の制作でよくあるのが、「後になって掲載できない情報が出てくる」ケースです。
たとえば、取材後に「社外秘情報が含まれていることが発覚」したり、「登場する人物の許可が取れていなかった」といったトラブルが起こることもあります。これを防ぐために重要なのが、稟議による事前確認です。
- どの部署のどの情報を掲載するのか
- 写真やインタビューの掲載可否
- 情報の機密性や公開範囲の確認
など、各部署の責任者だけでなく、役員レベルでもしっかり目を通してもらうようにしましょう。
これにより、後から「この情報は使えない」となる事態を防ぎ、スムーズな進行が可能になります。
次の工程では…
ここまでで、社史制作における「索引づくり」の重要性とその進め方についてご紹介しました。
次のステップでは、実際の取材や素材集めに入っていきます。社史づくりを成功に導くためにも、準備段階での丁寧な設計が、後の仕上がりを左右するのです。