社史入門
基本ステップ ステークホルダー以外の社史利用
一般的には社員や取引先などのステークホルダーのみが社史を利用すると思いがちですが、実はステークホルダー以外の人々にも広く利用されています。今回はステークホルダー以外の社史活用についてご紹介します。
社史はどんな人たちに利用されているの?
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利用者
利用目的
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経営学系の大学教授・研究者
業界史、産業史、技術史などの学術資料及びゼミの課題演習
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高校教師
副教材作りの基礎資料
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学生
ゼミやサークル活動の研究資料や就職活動における企業研究資料
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マスコミ関係者
企画や取材の基礎資料
なぜステークホルダー以外の人々にも利用されているのか
社史には歴代社長・役員一覧、生産高・売上額・利益額の推移、従業員数の推移、事業の変遷、企業グループ形成過程など、企業の成長過程が俯瞰的に記録されており、加えて業界史、産業史、技術史、文化史、風俗史、地域史などの資料的価値があるためです。
社史は書店などの商業ルートにのらない自費出版物でありながら、「社会の知的財産」と呼ばれ、公共性の高い出版物であるのが特徴です。
図書館も社史利用に積極的
実は、図書館も社史の利用に積極的で社史の収蔵充実に努めています。
研究者やライターなどの閲覧も多く、さまざまな史実調査のために閲覧されている場合もあります。
<史実調査の例>
- 調理用ミキサーを初めて国産化したメーカーの調査
- 日本のアイスクリームの歴史と普及の変遷
- 明治時代の我が国煉瓦工業の実態 など
したがって、企業は社史を発行したら、それを社員、取引先などステークホルダーに配布して終わりではなく、これら図書館にも積極的に献本する配慮が求められています。図書館への社史献本は、その企業の社会貢献の1つと言えます。
参考:収蔵社史を一般公開している主な図書館
- 国立国会図書館
- 東京都立中央図書館
- 東京経済大学図書館
- 神奈川県立川崎図書館
- 大阪府立中之島図書館
- 大阪市立大学都市研究プラザ経済研究所文庫
- 龍谷大学深草図書館長尾文庫
- 福岡県立図書館
- 全国銀行協会図書館
などが知られています。
近年はこれら以外に広域自治体が運営している主要公共図書館、経営学系の専門図書館・大学図書館の大半が社史の資料価値に着目、必須文献の1つとして収蔵充実に努めているようです。