社史入門
基本ステップ 社外での社史活用
社史は社外的には企業ブランド確立の強力なツールになると言われています。自社の創業期の状況やその後の成長過程を社外に広く知ってもらうことにより、自社の強みや社会的役割への認知度が高まるからです。また、社史は「我が社のクレド(信条)」を社外に広く公開し、それにより社会に「我が社の存在価値」を問う広報機能も併せ持っています。
また、このような企業ブランド機能や広報機能に加え、社外に対して次のような情報発信機能を持っています。
情報公開機能
社史の重要な情報発信機能の1つに情報公開があります。
情報公開は今日、その企業の経営の透明性と競争の公正性を高める同時に、社会的信頼感を高めるための不可欠要素になっています。
社史には、これらの要素が満載されています。中には、過去の経営の失敗と事業再建を始め企業イメージの低下を招きかねない情報も包み隠さず記録されています。
広告や製品パンプレットでは目的の違いなどから消費者に知らせることができない自社の舞台裏も、社史によって公開できます。これにより社史はその企業に対する消費者の信頼感を確固たるものにする役割を担っていると言えます。
営業の基盤ツール
社史のもう1つ重要な情報発信機能が「営業の基礎ツール」と言われています。
営業ツールと言えば自社製品のパンフレットや製品の展示・デモが通常です。しかし、競争が激しい今日、それだけで同業他社との差別化を図るのは困難になっています。そこで差別化の威力を発揮するのが、意外にも社史と言われています。
なぜなら、社史には創業から今日までどのような製品を開発し、その製品がどのように役立ってきたかの経緯、新製品を技術者がどんな情熱で開発に着手し、どのような失敗を克服して開発に成功したのか、いかにして製品の安全性を確保する品質管理基準を確立してきたのかなどの事実が、客観的に記録されているからです。
すなわち、社史にはその企業の製品開発思想や、製品を通じてどのような社会貢献をしてきたかの事実が余すところなく記録されています。それを社史によって消費者に伝えれば、目先の製品の品質の高さに加え、製品開発力の高さや製品の安全性を客観的に示す絶好の機会になります。それは自社製品への信頼感を高めるきっかけにもなるでしょう。
社史はあらゆる営業ツールの基礎になります。