WORKFLOW

社史制作の流れ

Q、社史はなぜ作られるの?

A、周年記念を機に、過去を振り返り新たな会社の未来を作るためです

【社史をつくる主な5つの理由】

過去を学び、未来に活かすため

企業が生まれた背景や、歴史の節目節目にある、困難を乗り越えた苦労、熱い思いを社史で伝えましょう。
仕事に対する誇りは、未来への大きな一歩となります。

会社と仕事を好きになってもらうため

企業の歴史は、社会やお客様から選ばれ続けてきた歴史。
教育・研修の資料として、また会社への信頼感を高めるために、社史は欠かせないツールです。

組織の一体感を高めるため

社史制作や周年記念事業をきっかけに、社員が会社に対して改めて興味・関心を持つことが多いもの。
このチャンスを逃さず、会社全体を巻き込みましょう。

関係者との絆を深めるため

社史は、社員だけでなくお取引先様や関係会社、お客様、社員の家族などが読むことも。
今日までの会社の存続に対して、感謝の気持ちを伝えましょう。

企業のPR活動のため

自社の存在意義を改めて見直し、分かりやすく伝えることで、さらに社会から共感を得て、世の中になくてはならない存在になっていくことができます。

会社が30周年、50周年を迎えた節目を記念し、これまでを振り返って未来への布石とするために、社史の編纂が企画される場合が多いです。
インナーブランディングの強化や企業理念の浸透など、企業課題が絡んでくることもあります。

Q、社史はどんな人が読む?

A、社員を始め、お客様・株主・学生…さまざまな人に読まれます。


社史は社員のみならず、会社に関わるあらゆる人の目に触れる可能性があります。
それぞれのステークホルダーにもたらす効果を知り、社史を編纂する目的を絞り込みましょう。

Q、社史の制作期間はどのくらい?

A、少なくとも1年半は確保したい!

社史は、年単位の制作期間を要することがほとんどです。
ある200周年史は7年間、ある50周年史は3年間かけて制作しています。
社史を制作する場合には、完成イメージをきちんと固めることに十分時間を取る必要があります。
どんなに短くても、1年半ほど制作期間を確保したうえで社史の編纂に臨みましょう。
社史のターゲットや狙いによっても制作期間は変わってきます。

Q、社史の制作は、どんな部署・どんな人が担当するの?

A、社史編纂室のほかに、企画部・総務部・広報部など。
自社を知り、伝えることが好きな人に向いています。


社史担当部門として指名されるのは企画部、総務部、広報部などが多いです。
また、会社の「生き字引」を室長に据えて社史編纂室が設けられる場合もあります。
会社のことが大好きで、自社の良さを人に伝えたいという思いを持つ方が、担当することが多いようです。

時代とともに変化する社史の形

社史とひとことで言っても、時代の変化とともにさまざまな役割が求められ、これまでに色々な形が生まれました。社史の約100年の歴史をここで紐解いてみましょう。

~1980年ごろまで

初期の社史は“読まれる”ことが重要でなかった!?

日本で一番最初に社史を発行したのは日本銀行だと言われています。
それにならって銀行や大手企業が社史をつくり、次第に一般の企業にも広まっていきました。
社史は読みやすさよりも資料性の高さが重視され、「昼寝の枕」「饅頭本(=周年記念行事で来賓に配られる菓子箱のような分厚さ、と揶揄した)」などと呼ばれることもありました。

1990年代~

表現が多様化し、さまざまな冊子が生まれる

1990年代に入ると、ターゲットを絞り、読んでもらうことを目的とした社史が増え始めます。各社、サイズや色、文体、企画、さらにはメディア・媒体に至るまで、社史の活用シーンや読者への浸透を考慮に入れてさまざまな工夫を凝らしています。

普及版社史

気軽に手に取り、読みやすくするために、従来の社史から重要な部分を抜き出した「普及版社史」が作られるように。
サイズも文庫版からA4版と小さく、ページ数も減らし、親しみやすい表紙を付けた社史が増え始めました。

フルカラー社史

目を引く写真をたくさん掲載し、写真集のように色鮮やかにフルカラー印刷した社史が作られるようになりました。
サイズは大判ですが、迫力のある写真を大胆に使い、読み手を引き込む魅力的な社史が多くなりました。

ドキュメンタリー社史

テレビ番組や書籍でドキュメンタリーが流行した影響を受け、物語のような3人称の文体で会社の特徴を客観的に描く社史も現れました。

企画社史

周年を機に自社への帰属意識を高めたり、新たな節目に向かって一致団結するために、社員が登場する企画を設けた社史。
座談会や社員アンケート、インタビューや寄せ書きなど、さまざまな企画が掲載されています。

マンガ社史

創業者や社員を主人公としたマンガの形式でつづられる社史。
創業の意思などの熱い思いや、社員どうしの絆など情緒的なものを表現したい場合に使われる手法です。
また、子供や若者が手に取りやすいという利点もあります。

2000年代~

Web、映像などメディアを活用し、さらに企業の個性を表現

2000年代に入ると、さらに社史の形はバラエティ豊かになります。
書店で販売する企業ファンブックのような形、企業内で個人用パソコンが普及したことによるインターネットを活用したWebサイトや動画コンテンツ、DVD版の映像社史の配布が一般化します。

映像社史

音声と映像を用いて歴史的な写真や出来事を印象的に見せることができます。社員研修や就職希望者に対して上映するなど、短時間で大勢が視聴することで連帯感も味わえます。
複製が、冊子に比べて簡単に行える利点があります。

ファンブック・ムック本

社員向けの社史とは、一線を画し、社外向けに作られる冊子。定価を設定して販売されたり、簡素な冊子にして手軽に配布できるようにしたりと、想定される読者層に応じて形が変わります。
その企業の製品・サービスに根強いファンがいる場合に制作されることが多いです。

Web社史

Webに社史をアップすれば、社内社外に関わらずたくさんの人が閲覧でき、また修正や改訂、追加も簡単に行えます。
スクロールの手間をなくすため、冊子の社史よりも細かい区分、少ない文章で1ページを構成することが多いです。

社史4つの効果

実際に発行された、4社の社史を紹介します。
それぞれ、読み手に伝えたいメッセージをもとに、工夫の凝らされたものばかりです。
楽しく読めて会社が好きになる、思いのつまった事例を見てみましょう。

効果1:創業のDNAを語り継ぐ

創業期の苦労や情熱、感謝、感動―数々のエピソードを後世に語り継げるのは、社史以外にありません。

効果2:ビジネスモデルの変遷を伝える

今や、企業の寿命は30年、あるいは10年とまでいわれています。
目まぐるしく変化する外部環境のなか、自社がここまで生き残ってきた尊い理由を社史から知ることができます。

効果3:仕事の価値を浸透させる

自分が日々取り組んでいる“仕事”は、何のためにあるのか―社史で自社の歴史と、そのなかで育まれた価値観を一人ひとりの社員に伝えることができます。

効果4:楽しさで人と人とをつなぐ

“えっ、こんなことあったの?!”
と意外な発見があるのが社史のおもしろがあります。社員同士で、家族とともに会社への興味が広がっていきます。

社史づくりのプロセス


読んでワクワクするような、楽しい社史を作りたい!でも、どこから手をつけたらいいの?
そんな新任担当者様に、社史完成までのイメージがつかめるマップをご用意しました。
順番に段取りよく進めれば、途中で迷子になる心配はありません。

STEP1:どんな社史をつくるか決める

ここでは、実際に社史を作るときの、一般的な制作の流れとスムーズな進行のためのポイントをご紹介します。
大まかな流れを知って、今後の社史制作本番に備えましょう!

≪ 検討リスト ≫

  • コンセプト

    これから作る社史の方向性です。ぶれない軸のようなものですので時間をかけて検討を。

  • 外注か内製か

    外部に委託する制作工程と、社内でまかなう制作工程とを検討します。

  • スケジュール

    発行日から現在までの大まかなスケジュールを立て、完成までの見当をつけます。

  • 媒体

    発行形態。冊子、Web、映像など発行メディアを何にするかです。

  • 原案

    発行目的、ターゲット、生み出したい効果、活用法、仮の目次、全体構成など。

  • 編集方針

    誌面づくりの基本方針。情報を編集する視点や切り口、表現方法ということです。

  • 予算

    おおよその配布先を決め、必要な部数を割り出し、予算を算出しておきます。

他社の社史をヒントにベストな社史をつくりましょう

世の中にどんな社史があるのかを知ることで、「こんな社史を作りたい」というイメージがはっきりしてきます。
社史は一般には一部しか流通していませんが、図書館に寄贈されている社史や、制作会社の実績をもとに社史のあり方、表現のバリエーションを掴んでおきましょう。

初期段階から完成イメージを掴んでおこう

企画段階ではスムーズだったのに、実際に本になるとイメージが違う…というケースはよくあることです。準備段階から試作品(プロトタイプ)を作り、読者となる人に協力してもらい、使用感を検証することをおすすめします。
社史は、社員のために作られることが多く、社員が社史に求めていることや、行動パターンを押さえておく必要があるためです。
原稿作成が終盤に迫りかかったらデザインを開始します。そして最終の仕上げに取り掛かります。文字の間違えや事実との整合性の確認、関係各位への承認、製本見本の確認など、発行までに間違えがないか隈なくチェックしていきます。最後に社内外の方々への配付方法や協力者へのお礼を検討して終了となります。

≪ 活用シーン ≫

  • 周年記念式典で配布する
  • 新入社員や幹部向け研修で使う
  • 新卒採用向け入社案内用に再編して配る
  • 営業ツールの会社案内用に再編して配る

Q、すごい原稿量だけど、社内で全部書くの?

A、社内で書く場合もあれば、社外に依頼する場合もあります。

予算、完成までの残り時間、社内リソース、社員の執筆力を検討して、どこまで外部に依頼するか判断します。原稿作成に必要な情報収集などは、広報担当者様の方で行うことが多いですが、それらの資料をもとに原稿や誌面デザインにしていく制作作業は外部に委託した方がスムーズに進行ができます。

Q、兼任でも社史制作ってできる?

A、できます。他業務との兼任が一般的。

弊社の調査した範囲では、編纂担当者は他の業務との兼任の場合がほとんどです。そのため、兼任でも無理なく進行ができるようにスケジューリングを行って進めていきます。一方、納期が短く、編集量も多いときは、社史編纂室を設置し、専任担当者をつけて集中して制作を行っていく体制をお勧めします。

Q、社史によく掲載される企画は?

A、歴史を伝えるだけではなく、社員参加型の企画も増えています

社史は、企業の歴史を客観的に伝えるだけではなく、社員の方に当時を振り返って語ってもらうインタビュー記事や、社内で自社に関するアンケートを行い、その結果を掲載するなど社員参加型の企画もよく掲載されています。

≪ よく掲載される企画 ≫

  • 社長や役員からの周年記念挨拶
  • OB・OGからの寄稿
  • お客様や取引先からの寄稿
  • 創業から現在までの事業の流れ
  • 製品開発などのプロジェクトストーリー
  • 社員同士の座談会企画
  • 社員アンケート企画
  • 年表

Q、他社の社史ってどこで見ることができるの?

A、図書館、資料館に行けば見られます。

一般向けに社史を公開している施設がありますので、下記にご紹介しておきます。
上場会社の方なら証券取引所の図書館を利用することも可能です。

  • 東京商工会議所図書館
  • 神奈川県立川崎図書館
  • 東京証券図書館
  • 大阪証券図書館
  • 大阪府立中之島図書館
  • 松下資料館

Q、外部パートナーを選ぶポイントってある?

A、コンペを実施し、5つのポイントを見比べましょう!

社史制作のコンペを行って外部パートナーを決めることが多いですが、
その際に比較するポイントは以下になります。
社史制作は1~3年の長い期間をかけて作るものなので、担当者同士の相性も重要になってきます。
また、各社の今までの社史の実績も見せさせてもらった上で、最終判断をしましょう。

  • 企画内容の良し悪し
  • 原稿を執筆するライターの良し悪し
  • 誌面を制作するデザイナーの良し悪し
  • 制作支援サービス、体制の充実度
  • 自社担当者と外部担当者との相性

Q、企業の不祥事や事件、経営危機などの悪い印象の話は避けた方がよい?

A、可能であれば、重要な事実は残して伝えましょう。

過去に、工場の事故、商品の問題、脱税や横領、隠蔽、経営危機などの経験をされている企業もあります。これらは、悪い印象を与えてしまうと思われがちです。
しかし、知っている人が多い話題にあえて触れないのはかえってマイナスな印象を与えてしまいます。
これらの経験か得た教訓は何か、またどのように生かしたのかを伝えることで、読者にクリーンな印象を与えることができます。

まとめ

社史は、社員へ向けてのモチベーション向上や教育などの役割や、ステークホルダーや新しいお客様に向けての企業のブランディングやマーケティングなどの戦略的ツールにもなります。
「使える社史」をもって、過去に培ってきた企業のDNAを未来へ向けて伝えていきましょう。

  • 周年事業の計画講座
  • 社史づくり基礎講座