社史入門

企業の周年事業で社史を作成する際、取材やインタビューは重要な工程です。
ここでは、社史の取材を担当する方に向けて、インタビューの準備から実施、質問のポイントまでをわかりやすく解説します。

1. インタビューでの準備事項

社史の取材でインタビュー対象者を決めたら、まずは以下の準備をしっかり行いましょう。

  • 取材の目的を明確にする
    どんな情報を引き出したいのか、社史のどの部分に活かすかを整理します。
  • 対象者に関する資料を集めて精読する
    会社の資料や過去の記録、関係者からの聞き取り内容などを集め、予備知識を蓄えます。
  • 質問事項を作成し、起承転結を意識して構成する
    資料に不足している情報は、インタビューで補足できるよう質問を補足事項として準備します。

これらの準備がしっかりできていると、インタビュー相手にも「事前準備ができている」と伝わり、詳しい話を引き出しやすくなります。

2. インタビューの実施方法

実際のインタビューは、以下のポイントを押さえて進めましょう。

  • 用意するもの
    ICレコーダー(録音機器)とメモ帳を持参します。
  • メモの取り方
    メモは「話をしっかり聞いています」という姿勢を示すために取ります。
    ポイントとなる固有名詞や数字、キーワードを簡潔に速記しましょう。
  • コミュニケーション
    インタビュー中は相手の目を見て、うなずきや驚きの表情を見せながら対話を深めます。
    これにより、相手は話しやすくなり、貴重な情報を引き出せます。

なお、社史の取材にはインタビュー以外にも、対談や座談会、寄稿の方法がありますが、基本的な進め方はほぼ同じです。

3. 「なぜ?」を軸にした質問の大切さ

インタビューを終えて音声を書き起こすと、「もっと聞きたかったこと」「理由や根拠がわからない点」が出てくることがよくあります。
情報が不足すると、文章に具体性が欠け、魅力が伝わりにくくなります。

このような失敗を防ぐためには、インタビュー時の質問で「なぜ?」を中心に据えることが重要です。

  • 理由を深掘りする
    「なぜその行動をしたのか」「なぜその決定をしたのか」を問い、背景や考えを掘り下げます。
  • 質問は最重要ポイントに絞る
    深掘りしすぎて話が脱線しないよう、聞きたいことの優先順位を付けましょう。
  • 聞き逃しの対応
    どうしても情報が不足する場合は、再度インタビューや事実確認の場を設けることが望ましいです。

このように準備と質問の工夫を重ねることで、社史作成に必要な豊富な情報が得られ、読み応えのある内容に仕上げられます。

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