WORKFLOW

社史制作の流れ

編集方針が決まったら、次は社史の構成を決めなければなりません。社史のオーソドックスな構成は装丁、前付、口絵、本文、後付けになりますが、この中で最も重要なのが「本文構成」と言えます。

本文構成の基準は「社史の用途」

本文構成は、社史の発行目的とその用途により決まります。
社史の発行目的には

  • ①事実の記録
  • ②ブランディング
  • ③経営判断の根拠
  • ④企業DNAの継承
  • ⑤従業員の一体感醸成
  • ⑥従業員のモチベーションの向上

など、様々なものがあります。
ただ、単一目的ではなく、複数の目的に優先順位をつけ、複合的な目的の編集方針による本文構成の社史が多いようです。

用途も企業により様々ですが、一般的には次の用途が挙げられます。

  • 資料保存

自社の足跡記録として保存するのが主たる用途になるので、価値のある資料をいかにしてコンパクトに収録するかが、本文構成の基準になります。
具体的には、

  • 風景写真や現物写真とその解説……工場、倉庫、製品、製品カタログ類、歴代経営者肖像写真、集合写真、就業風景等
  • 資料の文書や写真とその解説……創業時の定款、特許関連の公文書、表彰状、社内通達、各種会議議事録等
  • 自社成長の節目になった社内プロジェクト、工場建設、ヒット製品開発のなどのストーリー
  • 歴代印刷物の写真とその説明……一般向け会社案内、新卒採用向け会社案内、製品カタログ、事業報告書、株主報告書、社内報等
  • 資料編の充実……製品、サービス、生産高、売上などの推移をグラフ化

――などがこの用途では本文構成の上で重要になります。

  • 社員教育

社員教育では、自社の創業理念や経営思想、自社の伝統と社会的役割、事業拡大の経緯、自社の将来像などが重要な教材になります。
これらを体系的にまとめて収録するのが、本文構成の基準になります。
具体的には、

  • 創業理念や経営思想……なぜそのような理念で創業したのか、なぜそのような経営思想が生まれたのかの背景解説
  • 創業理念や経営思想が反映された成果物……社内プロジェクト、新製品開発、社会貢献等の実績とその解説
  • 伝統を紡いだエピソード
  • ヒット製品開発のストーリー、秘話、キーパーソンの談話・インタビュー等
  • 業績拡大の基となった新規事業開拓のストーリー、背景、キーパーソンの談話・インタビュー等
  • 企業合併や提携の経緯と成果、裏話等
  • 将来の企業ビジョン

――などが、この用途では本文構成の上で重要になります。

  • 営業用商材

この用途では、どんな関係先に配布するかが、本文構成の基準になります。
一般的には、

  • 社史発行に対する主要取引先(銀行、大口顧客等)の祝辞
  • 業界貢献に対する関係官公庁・団体の談話・インタビュー・寄稿文等
  • 創業時の製品や社屋の写真、創業者の肖像写真とその解説
  • 競争力のある自社技術やサービスの紹介
  • ヒット製品開発のストーリー
  • 顧客の声
  • 製品・サービスやアフターサービスに対する顧客満足度調査結果とその解説

――などが、この用途では本文構成の上で重要になります。

本文構成のタイプ

本文の構成は企業により様々ですが、集約すると次の5タイプに大別できます。

  • 正史型

伝統的な社史、記録としての目的が優先され、事実を正確に大量に掲載。多くの場合時系列で起きた出来事を紹介する構成となる。

  • テーマ型

自社にとっての価値・魅力をピックアップし、それぞれの内容に合わせ企画デザインを行う。
こうした目玉企画が社史の冒頭を占め、歴史年表などはまとめて後半に掲載されることが多い。
例えば、過去から順番に歴史を辿っていくのではなく、自社キーワードを複数選び、そのキーワードに沿って歴史を紹介していく展開をすることで、より自社の価値・魅力が分かりやすい社史となる。

  • 多角型

マルチステークホルダ向け、読者を意識して、各ターゲットが求める情報を提供する。テーマ型よりもひとつの企画で扱う内容が広範にわたる傾向がある。

  • 自由型

マンガ、語録、ムック、映像、WEBなど発行目的に合わせて最も適した媒体形でメッセージを伝える。

  • 社内報型

社内報の特別号として発行、コンパクトに歴史を共有する。

  • 周年インナーブランディング講座