社史・周年知恵袋

弊社のクライアントから「社史ってどう活用したらいいの?」「他社はどんなことに社史を使っているの?」とご質問いただくことがよくあります。媒体としての特性上、公に情報も出回っていないため、疑問に感じている社史担当者が多いのではないでしょうか。今回はそんな担当者のために、「意外な社史の活用法」を実例を元に8つご紹介させていただきます。

1、新入社員や中途社員研修での活用

社史を新入社員や中途社員への研修に使用する企業も多くあります。社史は自社を知る上で、最高の「教科書」の一つと言えます。研修では、社史を「教科書」として自社らしさや自社のDNAについて学び、一体感の醸成や理念の浸透を促します。

2、社内共通の辞書としての活用

社員が自社の情報を調べる際、Wikipediaを使用しているケースが多く、頭を悩ませているという話もよく聞きます。Wikipediaの情報は不確実である上、社員が本当に知りたい詳細情報は載っていないことも多いのです。社員が企画書作成のためにちょっとした調べ物をしたい時にも、気軽に使いやすい社史を作ることで、社内共通の辞書として活用することができます。

3、大学関係者・メディア関係者への貸出

業界史の研究や自社について調べている大学関係者やメディア関係者に社史を貸与することで、正しい情報を外部の人々に知らせることができます。誤った情報が論文やメディアに掲載されてしまうことのリスクは計り知れないため、正しい情報の提供は非常に重要です。社外貸与が可能な場合は、こうした活用も検討されてみてはいかがでしょうか。

4、新製品の開発や製品プロモーションのヒントとして活用

メーカーの場合、過去の製品開発ストーリーや製品詳細を社史に掲載しておくことで、現在進行中の新製品開発や製品プロモーションのヒントになることもあります。歴史をただ羅列するのではなく、製品開発ストーリーの紹介など一工夫加えることで、活用の幅はぐっと広がります。

5、動画型社史をコンパクトに編集し会社紹介ツールとして活用

周年記念式典で上映した動画型社史(周年記念ムービー)をコンパクトに再編集し、WEBサイトに掲載したり、自社のエントランスで上映する企業もあります。動画の場合、文字では伝わりにくいことも伝わりやすくなります。また、紙媒体の社史の場合、手にとって読んでもらわなければ、目に止まることはありませんが、エントランスなどでの上映であればより多くの人々に見ていただける可能性が高くなります。

6、社員の世代間コミュニケーション活性化に社史を活用

ちょうど団塊の世代が会社を去る時期に、若い社員がベテラン社員と直接コミュニケーションをとる機会がどんどん減っていたことから、社員の世代間コミュニケーション活性化に社史を活用された企業もあります。こうした場合には、社史内で若手社員とOB、ベテラン社員らとの座談会などを企画し、積極的に社員を巻き込んていくことが重要です。

7、大学の就職課に置かせてもらうなど採用ツールとしての活用

社史を大学の就職課に置かせてもらい採用ツールとして役立てている企業もあります。 この場合、社史は百科事典のような大判で重厚なものではなく、「雑誌型社史」というムックのような形態にするとより効果的です。網羅的な歴史紹介よりも、会社案内の要素を多く掲載し、歴史は通史程度とするとバランス良くわかりやすくなります。

8、内定者フォローとして内定者に社史を配布する

採用内定者に対して、社史を渡し内定者フォローとしている企業もあります。
自社の深い歴史や創業ストーリー、これから目指していく姿を知ることで、入社へのモチベーションアップや帰属意識醸成にも役立っているとのことです。
また、採用説明会時のスライドに社史から情報を引用したり、採用トークに活用される人事担当者も多くいらっしゃいます。

まとめ

いかがでしたか。ご覧いただいたように社史は社内外問わず、さまざまなシーンで活用できるツールです。
また、その活用法は「社史自体を使う」ことにとどまりません。
社史制作をきっかけとして社員を巻き込んだ組織活性化施策を行うことで、「理念の浸透」や「一体感の醸成」「社内コミュニケーションの活性化」などさまざまな課題に対してアプローチしていくこともできます。社史制作を検討される際は、そうした活用も視野に入れて制作してみてはいかがでしょうか。

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