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社史制作の流れ

社史をどのような体裁(スタイル)で発行するかで、配布先の注目度は変わってきます。いくら本文が立派でも体裁が貧弱なら、配布先の関心は薄れます。人はなり見て判断されると言われますが、これは社史にも言えるようです。

社史の体裁の構成要素

近年はビジュアル化重視の考えから、社史をDVD、CD-ROMなどの電子媒体で発行する企業が増えていますが、実態は年間発行点数の1割程度と言われ、それも本書の付録的位置づけと言われています。書籍同様、社史もまた当分の間は紙媒体主流が続くものと見られています。
社史を紙媒体で発行する場合の体裁は、判型(社史のサイズ)、ページ数、用紙、製本仕様の4つが基本要件になります。

社史の判型をどれにするか

紙媒体の標準的な判型は、A判、B判、AB判の3タイプで、主に次のような用途に使われています。

<A判>
  • A4判……社史、記念誌、雑誌、製品カタログ・パンフレット
  • A5判……ビジネス書、専門書、学術書、文芸雑誌
  • A6判……文庫本
<B判>
  • B5判……社史、記念誌、辞書、地図、週刊誌、
  • B6判……小説、エッセイ集、歌集、自費出版本
  • AB判……総合雑誌、タレント等の写真集

かつての社史はB5判が主流でしたが、近年はビジュアル化に適したA4判や、A判の天地をカットしたA4変形判を採用する企業が増えているようです。

社史のページ数をどれくらいにするか

書籍類を印刷する場合、A判もB判も刷版に8ページ分ずつ面付け(ページ配列)をして印刷します。この印刷紙を束ねて綴じ、表紙を付けたものが書籍になります。
このため、総ページ数は80ページ、160ページと言う具合に8の倍数で設定する必要があります。
これ以外の倍数で設定すると面付けに余白ができ、いわゆる白ページができて印刷費と用紙代が無駄になるからです。カラーページとモノクロページの切り替えも、前述の仕組みから8ページ単位になります。したがって、8ページ単位の刷版に、例えば特定の1ページにだけカラー写真を1点載せ、残りの7ページはモノクロ写真と本文だけになると、8ページ全部がカラー印刷になるので、これも印刷費の無駄になります。

社史に使う用紙を何にするか

印刷用紙の種類は数千種に上ります。と言っても、社史の本文用紙はクリーム色の書籍紙系と白色のコート紙系に絞られるので、選択はそれほど難しくありません。
文字の読みやすさを重視するなら前者、写真やグラフ類の見やすさを重視するなら後者が選択基準と言えるでしょう。
書籍紙系は、印刷インキの滲みを防止するため酸化させてあります。このため、かつては50年程度経過すると本文ページがボロボロになる欠点がありました。しかし、近年は脱酸した中性紙に切り替わっており、そうした心配もなくなりました。
また、社史の本文用紙として再生紙を採用する企業が多いのが最近の傾向と言えます。環境保護の企業姿勢を示す意味もあるようです。
以前の再生紙は、紙パルプ材を100%使用したバージン紙より割高で、かつ腰が弱いので需要は限られていました。しかし、最近は再生紙技術の進歩で価格も品質もバージン紙と大差がなくなってきています。企業イメージ向上の面からも採用は増え続けるものと見られています。

社史の製本仕様をどうするか

製本仕様は「上製本(ハードカバー)」と「並製本(ソフトカバー)」に分かれます。上製本には化粧箱入りのバリエーションもあります。

上製本とは、表紙にボール紙を貼り、糸かがりや接着剤で綴じる高級製本仕様のことです。
上製本は表紙が本文ページ部より3mmほど大きく、表紙の裏には見返しが付いています。表紙と背の間には溝が付いていて、本が開きやすくなっています。表紙材料には印刷用紙だけではなく、布などに金箔などを施すケースもあります。
こうした手の込んだ仕様なので並製本より高コストになります。しかし、硬質な表紙で本文ページ部が保護されているので、長期間傷まず、見た目にも高級感があるので、社史に広く採用されています。

かつては「社史は上製本が常識」とまで言われていましたが、近年はそうした常識にとらわれず、並製本を採用する企業も増えています。
並製本とは、本文用紙より厚めの用紙を表紙に用いる簡易型の製本仕様のことです。表紙と本文のサイズは同じです。上製本より低コストなので、新書・文庫本、ビジネス書、雑誌などに広く利用されています。

紙媒体で発行する社史の体裁は、こうした判型、ページ数、用紙、製本仕様の組合せで千差万別に変わります。
どの組み合わせで社史の体裁を整えるのかも、事務局の頭の痛いところと言えますが、これも社史の発行目的に照らせば、自ずと着地点が見えてくるでしょう。

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