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年表を作って、資料整理と社史編集をスムーズに
社史や周年誌の制作に向けて資料を集めたものの、「どう整理すればよいのか分からない」と悩むご担当者は少なくありません。資料整理の方法は企業によってさまざまですが、より効率的かつ実務的な手法として「年表台帳」を活用する方法があります。
資料整理の基本方針
まず、自社ですでに「企業アーカイブズ」などの資料整理の方針や運用体制がある場合は、それを踏襲するのが最も自然です。自社で定めた分類基準や保管ルールがあれば、それに従って整理・運用していくとよいでしょう。
一方で、特に定まったルールがない場合や、初めて周年事業に取り組む場合は、後々の作業効率も考慮して「年表台帳」を作ることをおすすめします。
年表台帳とは?
年表台帳とは、集めた資料の内容を年ごとに整理・記録していくための専用フォーマットです。A4サイズで1年につき1ページを基本とし、以下のような情報を記入します。
年表台帳の主な構成例
縦軸(年次項目)
- 西暦・和暦
- 事業年度(例:第○期)
- 売上高、営業利益、経常利益、最終利益
- 資本金、従業員数
横軸(分類項目)
- 経営計画・戦略
- 人事・教育制度
- 総務関連(組織改編、規則改正など)
- 技術・製品開発
- 支店や関連会社の動向
- 業界全体の動向
- その他、社史本文の章立てに応じたジャンル
ジャンルの数に制限はありません。社史の構成に合わせて柔軟に設定しましょう。
年表台帳の利点とは?
年表台帳の活用には、以下のような実務的メリットがあります。
- 一覧性が高く、全体像を把握しやすい
「1年=1ページ」の構成にすることで、部門ごとの動きやその関連性を一目で把握できます。特定の出来事が他部署や全社に与えた影響も見えやすくなり、経営の流れを読み解く手がかりとなります。 - 原稿執筆の下地として使える
年表台帳に整理された内容は、社史の本文や会社沿革、年表ページの下地資料としてそのまま活用できます。情報の抜け漏れにも気づきやすく、原稿執筆時の資料検索もスムーズになります。 - 早期に作成しておくことで、企画のヒントにも
年表台帳は資料が出そろってから作るもの、と思われがちですが、実は初期段階で作成しておくと非常に役立ちます。情報を記録する「器」として先に用意しておくことで、抜けている時代やジャンルを可視化し、追加の資料収集や取材の方向性も見えてきます。
資料の保管方法もセットで考える
年表台帳に記載した資料は、ジャンル別に分類し、索引情報(資料名、部署、概要、保管場所など)を記入したラベルを貼って、ファイルボックスにまとめておくと管理がしやすくなります。ファイルボックスは書棚に保管し、すぐにアクセスできるようにしておくとよいでしょう。
以上のように、「年表台帳」を中心に据えた整理法は、社史づくりにおいて非常に実践的かつ汎用性の高い手法です。周年事業を円滑に進めるためにも、資料が集まり始めた段階からの導入をおすすめします。