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事例

(右から)高柳 淳一 部長、野上 薫 課長、中西 佑太 係長、廣野 紗也香 様

京阪ホールディングス株式会社(以下、京阪ホールディングス)は、2020年に開業110周年を迎え、グループ全社の過去10年間の歩みを網羅した記念誌を制作。今回はそのプロジェクトメンバーの皆さまに、進行方法や、実際に制作を行ったうえでの思いを語っていただきました。

グループのための記念誌──「グループ経営」確立の10年間を「記録」すること

高柳様:京阪ホールディングスは、2020年で開業110周年を迎えました。それに先駆け2018年の秋頃から、どのような記念イベントを行うかという話が社内でありました。そこで案の1つとして挙がったのが記念誌の制作です。100周年(=2010年)以降の10年間には、持株会社化を果たし「グループ経営」の体制が整ったということもあり、節目として、京阪グループ全体の過去10年間の「記録」を残しておくべきだろうということになりました。制作が正式に決定したのは2019年の夏頃で、それからコンペを行い、発行の1年ほど前に制作を開始しました。

 

中西様:京阪ホールディングスの社史ではなく、京阪グループのための記念誌だという点は特に気を配りました。この記念誌がグループ各社の方々の手に渡ったときに、「ああ、自分の会社にはこんな動きがあったなぁ」と感じてもらいたい、というのが編集チームで強く共有していた想いです。そのため、各社ごとに盛り込む内容の調整にはかなり配慮を重ねました。

資料による事実確認&担当者へのヒアリングが記事に深みを持たせる

野上様:ベースとなった資料は、社内報と社内のニュースリリースのほか、経営に関する会議で用いられた資料でした。それらを再確認し、グループ全体でどのような動きがあったのかという点を整理するまでが大変でした。見せ方としては、事実を淡々と書くのではなく、事業展開の背景や意義を書くことで将来的にも立ち返り参照できるようなものにしたいと考えました。

 

廣野様:私も資料から重要と思われる情報を見つけて、その担当者に取材をお願いしました。そこで初めて各社の温度感が分かったところもあります。「ニュースリリースではさらっと書いているけど、実はとても重要なプロジェクトだったんですよ!」といったお話や、逆に「この事業はそこまで拡大しなかったのであまり深く書かなくてもいい」といったアドバイスもいただけました。そうした現場の声を頂戴しながら、さらに各社の担当者に問い合わせたり、社歴の長い方々に尋ねたりして情報を精査していきました。

 

高柳様:当たり前のことですが、一つひとつの事業には、経営陣やそこに携わった社員それぞれの想いがあります。それは資料だけでは伝えきれない部分です。特に前半の「トピックスでみる京阪グループ」では、資料による確認だけでなく、担当者へのヒアリングによる掘り下げも行う、というバランスが欠かせなかったと思います。

編集に欠かせない心構え:事前のグループ各社との連携、そして、最後まで編集方針を貫く姿勢

野上様:編集の段階では、ご協力いただいた方々から、情報の不足や訂正などのご意見を頂戴することもありました。追加で取材する必要も多々ありましたが、取材に行ってみて、やはり直接足を運び、話を伺ってよかったなということが多かったです。

 

高柳様:正直、ネガティブな情報を掲載するのは控えてほしいという話も中にはありました。ただ、社史や記念誌は「事実」を伝えるべきもの。不祥事や事故でも将来の教訓として、一部掲載させていただきました。

 

中西様:ニュースリリースなどから情報を拾いきれない部分は、周囲の方々にヒアリングをするなどして、人のつながりを作っていくことが不可欠でした。各事業を統括している部署の課長や、広報業務でお世話になっている担当者などから各社の担当者や取り組みに関する情報を教えてもらうことがなければ、グループ全社の情報は集めきれませんでした。また、コロナの影響で直接取材できない状況でも、Web会議システムを使って地道に情報収集をできたことは大きかったと思います。

 

野上様:情報収集やコミュニケーションには少しの手間も惜しまないということが、後の編集作業にも効いてくると思います。たとえば部長が、各責任者が出席する会議で作業の流れなどをあらかじめ伝えておいてくださったことで、私も後から具体的な依頼がしやすくなりました。こうしたことは地道ですが、制作をスムーズに進めるうえでは非常に重要なことだと思います。

年表の大切さを実感。事実とともに経営層の生の声も反映することが良い記念誌制作につながる!

廣野様:スムーズな進行という点では、年表の作成にもっと早く着手していればよかったと思います。載せる、または載せないトピックスを固めておかないことには、大枠も決まらないので。結果的には、トップの意見を反映させつつもまとまった情報量のある記念誌ができてよかったと思います。

 

中西様:私は、事前に各社の経営層の生の声を聴いておけばよかったと感じています。実際、取材をして直接話を聴くからこそ見える部分は多いですし、そこで書き方も変わってくるはずです。

 

野上様:自らが以前担当していて詳しく知っている事業などは、やはり書きすぎてしまうこともありました。完成形をイメージしながら調整していくことが必要です。詳しくない事業は色々な方に協力を仰ぎながら進めたことで、最終的にはバランスが取れたページ配分になったと思います。

 

高柳様:完成した記念誌は社内外の関係者に配布させていただきましたが、さらに「得意先に配りたいからもっと欲しい」というお声も頂戴しております。今のところ、内容に関する主だったご指摘がないことは大変ありがたく、協力してくださった皆さまのおかげだと感じています。

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