社史・周年知恵袋
社史 企画社員の興味を掻き立てる「社員参加型」社史企画の実例6つ
インナーブランディング性にも優れた社史を編纂したい方におすすめの社員参加企画の実例をご紹介します。
社史には「自社の歴史を記録する」以外に、社内活性化を促す”インナーブランディング”の効果があります。記録性とインナーブランディング性を両立するためには、社員が興味を持って参加できる企画を盛り込むことが重要です。ここでは、社員参加型企画の実例を6つご紹介します。
1. 社員参加型社史企画のポイント
1-1 歴代社長への若手社員インタビュー企画
IT企業A社では、中途採用社員が多いため、歴代トップの業績や素顔を知らないという課題がありました。そこで若手社員による歴代トップへのインタビューを実施しました。
これにより、社員たちが自社の変遷やトップの信念を知る機会となり、結果的にDNAの継承が進み、社員の定着率と愛社精神が向上しました。
1-2 製品開発秘話の座談会企画
製造業B社では、主力製品の開発秘話を開発に携わったOBや古参社員が語る座談会を企画しました。
開発過程での苦労や打開策などを振り返り、その内容を社史に掲載。社史配布後、「プロジェクトXのようで臨場感がある」と好評を博し、社員が自社の強みを再認識する機会となりました。
1-3 トップの支店訪問にも役立つ社員アルバム企画
住宅設備機器メーカーC社では、周年スローガンの浸透を図るため、支店別に社員の顔写真とコメントを掲載した”社員アルバム”を発行しました。社員同士の親近感が増しただけでなく、トップが支店訪問時にアルバムを活用し、現場社員との距離感が縮まりました。
1-4 仕事にまつわる作文企画
「自分たちの作ったものが後世に残る建設」という仕事にこだわりを持つ社員が多い建設業D社では、全社員から仕事にまつわるエピソードをテーマにした作文を募集しました。
全社員約2000名の中から328点の応募があり、優秀作のみを掲載する予定でしたが、どれも現場の喜怒哀楽を率直に綴った力作揃いだったため、文集として付録発行が決定されました。
応募した社員はもちろん、応募しなかった社員からも「これなら私も書きたかった」と悔しがる声が上がりました。
この企画は役員層にも好評で、ある役員は「一日一作」を精読することを日課にしているそうです。
1-5 自社へのメッセージを紹介するアンケート企画
製薬会社E社は、国内外に拠点を持つグローバル企業です。
本社採用の社員同士ですら、国内勤務と海外勤務で顔を合わせる機会が少なく、コミュニケーションが疎遠になりがちでした。ましてや、海外現地採用の社員と本社採用の社員間では、必要最小限のやり取りしかなく、社内コミュニケーション不足が経営課題となっていました。
この課題解決に役立ったのが社史発行です。
同社は、社史に”周年を迎える自社へのメッセージ”と題する全社員アンケート企画を盛り込みました。この企画では、アンケート結果を無機質に掲載するのではなく、社員の笑顔写真の下にメッセージを添えるレイアウトが工夫されていました。
この社史を見た社員たちは、「全社員の顔写真を見るのは初めてだ。国内外を問わず、これほど多くの仲間が熱い思いを持って働いていることを実感した」と口を揃えて語り、親近感が生まれました。結果として、社内コミュニケーションが活発化し、業務遂行が円滑になったのです。
1-6 社内表彰を受けた社員のエピソード共有企画
旅行会社F社では、ホスピタリティ向上運動15周年を機に記念誌を発行。
歴代表彰者から工夫や努力のエピソードを聞き取り、全社員が共有できる企画を実施しました。この記念誌がきっかけで、社員全体のホスピタリティ向上運動がさらに活発化しました。
まとめ
社員参加型企画は、単なる記録としての社史にとどまらず、社員が興味を持ち、主体的に読みたくなる社史へと進化させる鍵となります。こうした企画は、企業の経営理念や課題に応じて最適な形を選ぶことが重要です。ぜひ、自社の社史編纂にも社員参加型企画を取り入れてみてはいかがでしょうか。