周年事業推進体制づくりのコツ

 

周年事業推進体制づくりのステップ

 

周年事業の推進体制づくりは「立ち上げメンバー選出――➡実行委員会メンバー選出――➡実行委員会立ち上げ」の手順で進めるのが基本とされています。

具体的には、次の要領で推進体制づくりを進めてゆきます。

 

(1)立ち上げメンバー選出

実行委員会の母体となる立ち上げメンバーは、経営企画・総務・広報部門等の部課長から数名を選出すると良いでしょう。

周年事業は全社的な事業になるので、立ち上げメンバーには、

  • 社内の動きを全社的視野で捉える立場の仕事をしている
  • 社内各部門のキーパーソンとのコネクションがあり、日常的にもコミュニケーションをする機会が多い

――などの条件が不可欠だからです。

立ち上げメンバーに選出されたら、周年事業推進に巻き込むべき社内各部門のキーパーソンの洗い出しと事前声掛け、実行委員会メンバーの選定基準作りなどに着手します。

また、周年事業のコアとなる主要施策を絞り込み、それをどのように展開するのかを具体的に検討するのも、立ち上げメンバーの重要な役割の1つです。

主要施策の絞り込みは社内外の自社関連資料の収集・分析、ヒアリング、ワークショップ開催、社員アンケート調査などの方法を駆使し、多角的視点から行う必要があります。立ち上げメンバーの思い込みから来る「初めに結論ありき」の施策では、全社的な理解と協力を得られないので要注意です。

さらに、前節で述べた企画フェーズでコンサルティング会社を起用する可能性がある場合は、その会社を選定しておくのも立ち上げメンバーの仕事になります。

企画フェーズに入ってからコンサルティング会社に関与させるよりも、準備フェーズから関与させれば情報共有度が濃密になり、双方の意思疎通がスムーズになるので、目的にフィットした施策を策定しやすいからです。

 

(2)実行委員会メンバー選出と実行委員会立ち上げ

周年事業の実働組織となる実行委員会は、そのメンバー選定基準に基づき部門横断型の形で組織します。メンバー候補の選定は選定基準に合致した社員の部門長推薦、社内公募などの方法で行います。

そして、立ち上げメンバーは実行委員会メンバー候補者を面接し、当該候補者の熱意、キャリア、業務キャパシティを確認した上で、各部門1―2名の割合でメンバーを選定します。

実行委員会メンバーは実行委員会が立ち上がると、周年事業推進の実務者として準備から実行までの周年事業プロセスを切り盛りすると同時に、周年事業に対する所属部門の意見・要望を施策に反映するなど、周年事業を全社的に盛り上げる役割を担っています。

そのためにも、実行委員会が立ち上がったら、

  • 社内報等で実行委員会メンバーを紹介する……社内の認知度が高まり、メンバーが活動しやすくなる
  • 周年事業特設webサイトを開設する……周年事業推進の計画・現況・予定等を定期的にサイトアップすれば、周年事業に対する社内の関心や期待が高まり、一般社員を周年事業推進に巻き込む環境が生まれる
  • 役員・部門長対策……周年事業推進に関する役員・部門長への報告・相談等は実行委員会メンバー自ら行う。これにより役員・部門長クラスの理解と協力を得やすくなり、実行委員会メンバー自身の責任感とモチベーションも強まる、

――などの間接的活動も重要と言えるでしょう。

 

周年事業推進体制づくりにおける事務局の役割

 

周年事業推進体制づくりにおいて、もう1つ重要なのが事務局の立ち上げです。

周年事業の推進において、事務局は実行委員会の運営管理・諸活動の調整を行う他、実行委員会のブレーン的な役割も担います。換言すれば、事務局は周年事業推進の黒子であり、要と言えます。

 事務局は主に次の役割を担います。

  • 周年事業推進の管理

周年事業を円滑に推進するためには、準備プロセスから実行プロセスまでの全過程においてコミュニケーション管理、進捗管理、予算管理など様々な管理を適切に行う必要があります。事務局はこれらの管理を一元的に行い、実行委員会のチームリーダーの迅速な意思決定を補佐します。

  • 定例会議の効率化

実行委員会運営の基盤となる定例会議を効率化するためには、

・チームリーダーから提出されたチーム活動進捗報告書の定例会議への反映

・進捗報告書添付資料の整理と添付資料関連・補足資料の収集・整理・分析による会議資料作成

――などが必要です。事務局はこれらの業務を一元的に取り扱い、定例会議の効率化を支援します。

 

<まとめ>

事務局は取締役クラスから選任した事務局長と、事務局長を補佐する事務局員4―6名で構成するケースが大半です。事務局の業務は管理と調整が大半を占めるので、事務局員はこれらの業務スキルに長けた総務部や経営企画部、または広報部の管理職・中堅社員の中から選出すると良いでしょう。

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