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周年事業の進め方

帝国データバンクが発表した『2025年「周年記念企業」実態調査』によると、2023年に周年を迎える企業は15万5167社にのぼり、そのうち100周年を迎える企業は1685社に達しています。こうした企業の多くが、何らかの形で周年記念事業を実施していると予測されています。本記事では、企業の周年事業を進めるための基本的な知識と、現在の周年事業の進め方について解説します。

1、周年記念事業の役割とは?

周年記念事業は、企業にとって重要な意味を持つイベントであり、単なる式典やイベント開催にとどまりません。
過去の周年事業は、主に社内外のステークホルダーに感謝の意を示すために行われていましたが、近年ではその役割が大きく変化しています。

現在では、周年事業は企業の成長を促進するための貴重な機会と捉えられています。企業はこの節目を活用して、以下のような目的を掲げることができます。

  • 組織としての一体感の醸成
  • 新しい企業理念や行動指針の策定と浸透
  • 企業ブランドの再構築、新たなイメージ作り

これらの目的を周年事業を通じて実現することが、現代の企業にとっての重要な役割となっています。

2、周年事業は変化を引き起こす絶好の機会

周年事業は、企業にとって大きな変化をもたらす好機です。
その理由は、周年という「節目」のタイミングにおいて、新しい取り組みを始めることが社内外から理解されやすいからです。突然の方針変更や新しい事業の立ち上げが難しい中、周年を契機にすることで、変化に対する納得感を得やすくなります。

さらに、「周年」というキーワードは社内外の注目を集めやすく、プロモーション活動が行いやすいというメリットもあります。事前に準備を進めることで、社外に対しても自社の魅力を訴求することで、周年事業をより効果的に進行させることが可能になります。

3、現在の周年記念事業の形態

従来の周年事業は、セレモニーや記念品配布などが中心でしたが、現在では多様な形態が登場しています。主な従来の形態には、以下のようなものがありました。

  • セレモニー事業型(祝賀会、記念品配布)
  • アーカイブズ事業型(社史発行、企業アーカイブ整備)
  • 福利厚生事業型(保養施設開設、レクリエーション)
  • PR事業型(CI制定、企業ミュージアム開館)
  • 社会貢献事業型(文化・社会福祉活動)

中でも「選択型」では、複数の事業形態を組み合わせて実施することが一般的でした。
しかし現在では、各企業が独自に求める「変化」を促進するために、複数の施策を組み合わせた「創作型」の周年事業が主流となりつつあります。

創作型の周年事業

「創作型」では、企業が望む変化に合った周年施策を選び、それらを連動させて実行します。以下のような施策の中から、自社の状況に最適なものを選び、効果的に組み合わせていきます。

4、周年記念事業の目的設定

周年事業を成功させるためには、まず最初にその目的を明確にすることが重要です。目的が定まっていないと、実施する施策がバラバラになり、効果を得ることが難しくなります。

周年事業を通じて企業がどのような変化を望むのか、具体的に考えてみましょう。例えば、社内外のステークホルダーに新しいブランドイメージを浸透させる、社員の一体感を高める、などの目的があります。

目的設定をする際には、経営陣と連携し、トップから方針を確認することが不可欠です。このプロセスを通じて、企業全体での方向性が統一されます。

5、周年事業のスケジュールと流れ

周年事業の進行には、適切なスケジュール管理が求められます。以下は、一般的な周年事業の流れを示したものです。

【手順】

  • 準備フェーズ(周年2〜3年前)

    • 周年方針の決定
    • 一次予算の決定
    • 体制の決定

    最初のステップでは、経営陣と直接セッションを行い、周年に対するビジョンや方向性を確認します。また、準備段階では周年事業を進める体制を整えることも重要です。

  • 設計フェーズ(周年1年前)

    • コンセプトの決定
    • 企画立案と決定
    • 実行委員の巻き込み

    設計フェーズでは、具体的な周年事業の内容を策定します。周年の意義を実行委員に伝え、社員全体でコンセプトを共有していきます。

  • 実行フェーズ(周年:当年)

    • 各施策の実施
    • 社員の巻き込み
    • 成果の実現

    実行フェーズでは、事前に策定した施策を実施し、社員全員の参加を促します。社内のコミュニケーション活性化が成功の鍵となります。

  • アフター周年フェーズ(翌年以降)

    • 成果の持続
    • 今後の課題と対策

    周年事業の結果を受け、企業は今後の課題に取り組み、さらなる成長を目指します。

6、周年事業担当者の役割

周年事業の担当者は、プロジェクトの進行管理を担当します。通常、担当者は本業と兼任で作業を行うため、限られた時間の中で効率的に進めることが求められます。

周年事業のプロジェクトは、「事務局」「実行委員」に分かれて進められることが多いです。事務局は主に準備段階で活動し、実行委員は具体的な施策の実施を担当します。

7、周年プロジェクトメンバーの選び方

周年事業を成功させるためには、適切なメンバー選定が不可欠です。
プロジェクトメンバーは、各部署の意見を集約し、効果的な施策を導き出すために重要な役割を果たします。

選定するメンバーは、次のようなポイントを基準にすると良いでしょう。

  • 社員の意識を高めることができる人
  • 影響力のある人
  • 将来の経営を支えるキャリア社員
  • 成長意欲のある社員

これらのメンバーが集まることで、より効果的な周年事業が実現できます。

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