社史・周年知恵袋

周年や節目のタイミングで制作される「記念誌」。

本来は企業の歩みを整理し、理念を再確認し、次の成長へとつなげる機会です。

しかし現実には、「一部の担当者だけで進行され、読み手も制作側も“当事者意識が薄いまま完成してしまう”」という課題を抱えるケースが少なくありません。

その背景には、記念誌が「制作物」ではなく「プロジェクト」であることへの認識不足があります。

記念誌は、コンテンツそのものではなく、その“プロセス”が価値になる──

その視点をもつことで、社員が自ら語り、考え、未来へ向かう記念誌を育てることが可能になります。

なぜ当事者意識が薄れてしまうのか?

記念誌の制作は、「社史部門」「総務」「広報」「経営企画」などの限られたメンバーで構成されがちです。
そのため、現場の社員や他部門からは「自分には関係がない」「完成してから見るもの」という感覚になりやすく、結果的に“読まれない記念誌”が出来上がってしまいます。

また、「過去をまとめる」「業績を整理する」などの目的が前面に出ると、読み手にとっても“自分ごと化”しづらくなります。

このような状況を避けるには、企画段階から社員を巻き込む「全社横断型」の設計が不可欠です。

全社横断型で進める3つの鍵

記念誌を、社員の誇りと未来への指針として機能させるには、以下のようなプロジェクト設計が効果的です。

1. 実行委員会形式で“部署横断の編集チーム”をつくる

特定部門だけで記念誌をつくるのではなく、各部門から代表を集めて実行委員会を立ち上げ、部署を越えた編集チームとして進行します。

たとえば

  • 若手・中堅・ベテランをバランスよく選出
  • 地域拠点や海外事業部も含めた構成
  • 人事や広報、技術職、営業など多職種で編成

これにより、多様な視点が編集に反映され、完成物にも“自分たちの言葉”が宿るようになります。

2. 「編集会議」を“対話の場”として位置づける

編集会議を単なる進捗報告の場にせず、「企業のらしさとは何か」「どんなメッセージを残すか」を話し合う“共通言語を探す場”として設計します。

  • 創業の原点に立ち返る
  • 社員の誇りとは何かを語り合う
  • これからの10年を考える問いを共有する

こうした対話を通じて、社員同士が価値観を共有し、企業文化が可視化されるプロセスそのものが記念誌の核になります。

3. インタビューや企画に“社員参加型”の仕掛けを入れる

たとえば

  • 各部門から社員代表が語る「〇〇部の歴史」コーナー
  • 社員アンケートで「印象に残る出来事」を募集
  • OBや家族にも参加を促し“外から見た会社”を編集に組み込む

このような参加型の構成を取り入れることで、記念誌は「読まれるもの」ではなく「一緒につくったもの」となり、完成後も社内外で活用されやすくなります。

記念誌は“完成物”ではなく“共創のプロセス”である

記念誌を単なるアーカイブとして捉えるのではなく、「社員が自分たちの会社を再発見し、未来を考えるための装置」として設計すること。

それこそが、周年の記録を“文化資産”に昇華させる鍵です。

完成物の美しさやボリューム以上に、社員が語り、悩み、共感しながら編み上げた記念誌は、企業文化の“証”として次の世代へと引き継がれていきます。

制作支援について

日本ビジネスアート株式会社では、周年記念誌やWeb社史の制作において、社員を巻き込む“プロジェクト型”編集支援を行っています。

  • 部署横断型の実行委員会設計
  • 社員参加型の企画立案・ファシリテーション
  • 編集会議での価値観の整理支援
  • 紙・Web・映像のマルチメディア展開設計

“読む記念誌”から、“語りたくなる記念誌”へ。

記念誌は、全社で育てることで真の価値を持ちます。

次の10年に向けた文化づくりの第一歩として、企画段階からの設計を見直してみませんか。

ページTOPへ