社史・周年知恵袋
社史 企画記録ではなく“共有資産”に──社員とその家族を巻き込む周年プロジェクトの設計法
周年事業は、単なる記録ではなく、企業文化の継承や社員の誇り形成に繋がる**「共有資産」として設計されるべきです。本稿では、社員とその家族**を巻き込むプロジェクトの設計法を紹介します。
企業にとって周年は、大きな節目です。
歴史を振り返り、社内外に感謝を伝える貴重な機会であり、記念誌や式典、特設Webサイトなどを制作する企業も少なくありません。
しかし、こうした周年事業が「一度きりのお祝い」で終わってしまうことも多くあります。
本来、周年は単なる記録ではなく、企業文化の継承や社員の誇り形成、そして未来への指針を共有する“資産”として設計されるべきものです。
そのために重要なのが、社員自身の参加と、さらにその“家族”を巻き込むという視点です。
ここでは、周年を“共有資産”に変えるための設計法を紹介します。
なぜ「家族」にまで開くのか
社員は日々の業務に忙しく、自分がどんな会社で働いているのか、なぜこの仕事をしているのかを深く意識する機会は意外と少ないものです。
同様に、社員の家族も「どんな企業で、どんな価値を提供しているのか」を詳しく知ることはあまりありません。
周年事業を“家族にも伝わる形”で構想することは、社員自身が自社への理解と誇りを再確認する機会にもなるのです。
- 家族に会社を説明できるようになった
- 子どもから「すごいね」と言われた
- 会社の存在が家族の中で“誇り”になった
こうした声が実際の現場から聞かれるようになれば、社員のエンゲージメントは確実に高まります。
記念誌やWebを“共有資産”に変える3つの設計視点
1. 全社横断でプロジェクト化する
周年プロジェクトを一部の広報部門だけで完結させるのではなく、各部署からメンバーを募り実行委員会を組成することで、全社の温度感が変わります。
部署を超えた対話、日頃見えなかった業務への理解、共通言語の育成──
そのプロセス自体が、周年を通じた組織文化形成の場になります。
2. “社外の読者”を意識したコンテンツ設計
記念誌やWebを社内だけで閉じるのではなく、社員の家族やOB、未来の社員(採用候補者)など、社外の関係者にも届く設計にすることで、企業理解が深まります。
たとえば
- 家族にも伝わる「やさしいことば」で編集された社史
- 家庭に配布できるビジュアル中心のファミリーブック
- OB・OGの言葉を載せた「つなぐメッセージ」集
- 子ども向けに再編集した「会社のしごと紹介動画」
家族に届く記念コンテンツは、社員一人ひとりが会社を語るきっかけになります。
3. “振り返り”より“これから”に焦点を当てる
周年を「過去をまとめる」だけのものにしないことも重要です。
これまでの歩みをどう未来につなげていくのか、理念やビジョンと接続された編集構成にすることで、記念誌やWebが“未来に使われる資産”となります。
そのためには、次のような問いを企画段階から共有するとよいでしょう。
- 「この周年を機に、どんな文化を育てたいか」
- 「未来の社員に、どんなメッセージを残したいか」
- 「社外に伝えたい、“私たちらしさ”とは何か」
成果につながるプロジェクトとは?
実際に社員と家族を巻き込んだ周年プロジェクトを行った企業では、次のような成果が報告されています。
- 社員の自社理解と理念共感が高まった
- 家庭内で企業の話題が出るようになった
- 部署横断の関係構築が進み、業務連携が円滑になった
- 作った記念誌やWebを、採用や教育でも再活用できた
このように、周年は「つくって終わり」ではなく「使い続けられる資産」として機能させる設計こそが成功の鍵です。
プロジェクト設計・制作のご相談について
日本ビジネスアート株式会社では、周年記念事業や社史制作において、
社員や家族を巻き込む共創型のプロジェクト設計と、
インナー・アウター問わず活用できる“文化資産”の構築を数多く支援しています。
- 実行委員会の立ち上げ・企画ファシリテーション
- 家族にも届く記念誌・ファミリーブック・Web制作
- 理念の再編集・組織文化の見える化支援
- 採用・研修・IRなど他施策との接続設計
記録を超え、“共有できる文化”を生む記念コンテンツへ。
周年は、その設計次第で、組織の“芯”を強くする変革の起点になり得ます。
一過性にしない。全社の未来に残る資産を、いまこそ構想してみませんか。

