社史・周年知恵袋

経営理念やビジョンは掲げているものの、現場には浸透していない。組織改革を進めたいが、社員に腹落ちしていない──そんな課題を抱える企業は少なくありません。

こうした“見えづらい企業文化”を社員の共通認識として定着させるうえで、有効な手段のひとつが「社史」の活用です。
社史は単なる過去の記録ではなく、企業文化の可視化と共有を可能にするインナーブランディングの核となり得ます。

本稿では、社史をインナーブランディングとして活用するための考え方と具体的手法をご紹介します。

なぜ今、“企業文化の見える化”が求められるのか

多様な人材が集まり、働き方が柔軟化し、経営環境が加速度的に変化する中、企業にとって「文化の共通基盤」はかつてないほど重要になっています。

言語化された理念やミッションだけでは、抽象的すぎて行動に落とし込めない。日々の業務や行動規範の背景にある「らしさ」や「判断基準」を共有し、企業としての一体感を持続的に保つことが経営課題の一つとなっています。

そこで重要になるのが、過去の実践知や価値観を、社員自身の言葉やストーリーとして語れる状態にすることです。そのベースとなるのが社史です。

社史は“価値観のストック”である

社史には、企業の創業背景、成長の過程、困難とその乗り越え方、経営判断の根拠などが記録されます。
これらは、単なる出来事の記録ではなく、組織がどのように考え、動き、変化してきたかという「思考と行動の履歴」でもあります。

この記録を編集し、社員の視点で意味づけることで、社史は「価値観の辞書」「意思決定の原型」として活用できます。
それはつまり、企業文化の土台を“見える化”したコンテンツに他なりません。

インナーブランディングにおける活用方法

新入社員研修への活用
企業の歴史や理念を伝えるだけでなく、「どのような選択を重ねて今があるのか」「この組織は何に価値を置いているのか」を伝える教材として有効です。特に創業ストーリーや失敗と再起の話などは共感と帰属意識を高めます。
経営層・管理職向けの再認識
経営層・中間層が持つべき価値観や判断基準を、組織として言語化・共有する場面でも活用できます。理念の背景にある実践例が記された社史は、抽象的な言葉を具体に落とし込む補助線となります。
社内イベント・周年事業との連動
周年イベントと連動し、社史の一部を紹介したり、社員の思い出エピソードを巻末に特集するなど、社史を“共有体験”として設計することも可能です。インタラクティブな参加設計により、企業文化への理解が自然に深まります。

社史づくりそのものが文化醸成のプロセスに

実は、社史は“読むもの”である前に、“つくるもの”としての効果も大きな価値を持ちます。

  • 社員がインタビューに答える
  • 編集チームが部署を横断して議論する
  • 社史に載せる出来事や言葉を選ぶプロセスで対話が生まれる

これらのプロセスを通じて、企業文化が可視化され、組織の記憶が再発見されていきます。
制作過程そのものが、企業文化の共有と再構築の機会になるのです。

“記録の書”から“文化資産”へ

社史はもはや、保管されるだけの冊子ではありません。
それは、経営理念や行動指針を、過去の事実や社員の言葉によって裏付ける“文化の証拠”です。
そして、読み手の行動や思考を変える力を持つ“文化資産”として活用されるべきです。

理念を“伝える”ために、ビジョンを“腹落ちさせる”ために、日々の意思決定に“根拠”を与えるために──社史には、そうした役割を担うだけのポテンシャルがあります。

社内に浸透する“文化資産”としての社史を

日本ビジネスアート株式会社では、企業文化の可視化を目的とした社史の制作を多数支援してきました。
単なる過去の記録としてではなく、インナーブランディングに活用できる構成・編集・デザイン・メディア設計までを一貫して対応しています。

社員の言葉や価値観を丁寧にすくい上げ、文化として整理することで、社内で生き続ける“文化資産”を形にするお手伝いが可能です。

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